なんだかポカンと空き時間があったので、2016年後半以降の Microsoftのハードウェア環境について予想を書いてみました。 「Microsoftの動向を追っている記事」を追っていると いろいろ予測(妄想)が楽しかったりします。 以下、妄言と思って聞いてもらえると幸いです。
One Surfaceと リファレンスモデル化
さて、2016年末から2017年頭にかけて、Microsoftから Surfaceと名の付くハードウェアが続々と 登場予定である、と言われています。 この中にはもちろん Windows 10 Mobileハードウェアの Surface Phone も入っていると思われます。 そして、Surface AIO (All-In-One) も登場とという話を聞いた時に思いました。
これは 『One Surface と Windows 10 利用環境のリファレンスモデル化』 を狙ってるのではないか?ということ(One Surface は完全に One Windows から連想してパクりました 汗)。
2 in 1 PCとして高級ブランドの地位を築いた Surfaceですが、そういったブランド名を利用してバラエティを増やしていく戦略は、ある意味常套手段ではないかと。 そして、Windows 10 OSで出来ることを示すためのリファレンスモデルとしての Surfaceを各分野で展開するように思えてきます。
10 Mobileの動向に見る Enterprise(ビジネス利用)特化傾向
『Enterprise(ビジネス利用)特化』 これは 10 Mobileでも最近特にウワサされていることの1つです。 昔からの Windows Phoneユーザにしてみれば、Windows Phone = Lumia だったのですが、その Windows Phoneの世界シェアは 2016年1~3月期で 0.7%しかありません。 どこかの記事ではそのシェアの低さを「Rounding Error(計算上の誤差)」などと揶揄するほどです。 そこで Microsoftはコンシューマ市場を捨てることにした、という話も出てきています。
そういったことの裏付けには小さすぎる出来事かもしれないですが、Windows 10 Mobileの Insider Previewでは「キッズコーナーの廃止」 が行われました。 キッズコーナーとは、子供に Windows Phoneを利用させるときに指定アプリのみに制限するためのプログラムです。 ビジネス向けの Phoneにキッズコーナーは必要ない、ということなのかと推測しました。
また、従来の Lumiaライン (一応断っておくと、NOKIA・Microsoftの Lumiaは 全 Windows Phone市場の95%以上を占めている状況です) ではローエンド~ミドル機種が当然のラインナップとして揃っていましたが、Surface Phoneではあくまで高級路線のみとなるようです。 コンシューマ市場(特に新興国)を狙うときにローからミドルの機種は絶対的に必要なゾーンです。 それでも Microsoftはあくまでハイエンドを出し、他はサードパーティに任せるということは Microsoftの幹部コメントにもありました。 ちなみに現在、Lumiaのチームは Surface Teamと合流しているようです。
10 Mobileでは Nokia, Lumiaを終息
これもかなり顕著な動きとして見て取れます。 とにかく Windows 10 Mobileのアップデート対象から NOKIAロゴの多くの Windows Phoneデバイスを外しました(快適に動作するための性能的にも不足しているという事実もありますが)。 アプリで言えば 10 Mobile上での Here Maps (NOKIA製)の終了もつい最近あったばかりです (これは NOKIA側の意思ではあるけど)。
Lumiaでいえば 当時Lumiaにあった標準のカメラアプリはその名前を順に 「NOKIA CAMERA」 → 「LUMIA CAMERA」 → 「CAMERA」 と変えていったのは分かり易いですね。 そして最近は、「Lumia SensoreCore SDK」という歩数計機能等のためのSDKがサポートを終了、今後は Windows 10側にある代替の API機能を利用することを勧めています。 他にもいろいろ細かいところがあったりして、とにかく今 Microsoftは「NOKIA、Lumia」の文字を消そうとしています(いろいろ失敗したので当たり前の行動かもしれません)。
Mobileが Surfaceによる再出発で成功するか!?
PC部門ではすでに Surfaceは成功しているし、たぶん Surface AIO (正式名称は不明)も一定の成功はすると思われます(パソコンとしてのWindowsの需要は常に一定数あるので)。 あとはこの成功に Surface Phoneが乗れるかどうか、というところだと思います。 なので Surfaceマイナーチェンジ版が出て、Surface AIOが 2016年(末)で、Surface Phoneが 2017年(頭)の順番になっているのは合理的なものと思います (2016年9月のニュース記事 によると、Surface Phoneの開発は遅れていて、早くても2017年 秋ごろ、遅いと2018年までズレこみそうだ、と言われています。)。
「3つが揃うとできること」の提示
Windows 10 (& Mobile) の Insider Preview環境を見ていると、『PCとモバイルの連携機能』 というのがあります。お互いのデバイスへの通知を知らせ合う機能ですが、これも今後はもっと深いレベルでやり取りができるようになると思われます(コルタナが絡んでくることも容易に想像できます)。
あえて従来の Surface, Surface AIO, Surface Phoneを勝手に命名すれば それぞれに、Surface Biz, Surface Home, Surface Mobile といったところでしょうか。
この3つを結ぶことで、Surface Bizで仕事、移動中は Surface Mobileでスケジュールや簡単な資料等のチェック・編集を、自宅に帰って大画面の Surface Homeで一日の内容を再確認と今後の予定の編集と Bizや Mobileへの同期・Xbox Play Anywhereで息抜きといったようなところの利用シーンの提案(リファレンス) になりそうだと想像します。
Surface AIOの場合、大画面で大量の情報や緻密な画像処理などをしたい場合にも向くかもしれないので一概にHOMEとも言い難いかもしれません。 むしろ法人の大量購入も考えているのかもしれないですね。
と、上記のようなことがうまく訴求できれば当然のことながらその連携の1つとして Surface Phoneへも一定の需要が見込まれそうです(Android や iOSへの対応もしそうですが 汗)。
蛇足
以上の事を考えたときに、やはりもう Lumia というモバイルデバイスはこの世に登場しないのでは?と思われます(元々 NOKIAの製品につけられた名前だから、ということもあります)。 ルミアって名前はいかにも北欧的で美しいというかカッコイイと思うんですけどねぇ。
「Surfaceシリーズは Windows10, 10 Mobile利用環境で出来ることを提示するためのハードウェア」 と考えたときに、Surface Phoneの存在は Googleの Androidにおける Nexusに近い(但し自社でハードウェア製作)ものになると思います。 そういう意味でもやはり Microsoft自身が Mobile環境のローエンドモデルは作らないというのは自然な推測です。
個人的には 今 Microsoftがローエンドモデルを作らないことって かなりもったいない気がするんですけどね。 10 Mobileと UWPの利用者増のためにはローエンド機は必要だと思ってます(前年同期比で約1/3までシェアが落ちている原因の大きな1つは ローエンドモデルの新機種を出さないことだと思っています:推測)。 今後サードパーティが Microsoftの穴を埋められるだけのものを揃えてくれるのかもちょっとだけ心配です(HP Elite x3では、早くも混乱してたりします)。
という話でした、と。 本当に勝手なことを書いただけなので、こういう風に考えてるヤツもいるんだねぇ、くらいの気持ちでお願いします。 しかし Microsoft のモバイル部門には頑張ってもらいたいですよ、ホントに。 いろいろ応援している立場なんだもん。