一言で言えば「ノートパソコンで出来て Continuum で出来ないことが多すぎる」ということになるのかな。
おことわり:自分は実際には Continuum を利用していません。 動画やレビュー、技術情報などを漁って自分なりに調べた範囲内の話でしかないのでご了承ください。
Continuum は 発展途上
まず、Continuum が使える環境を前提として。
「UWP アプリが少なすぎる」
これは Windows Phone 自体の話と根は同じ。 Continuumで何ができるのか? Officeアプリくらいです。 あとはブラウジング。 Microsoft 以外のアプリで UWP に対応したものは極端に少ないです。
最近 Hulu の UWP アプリが発表されましたが、なんとなく動画を見るだけならブラウザ機能とかもある スマートテレビでいいのでは? と思ったりもします。
Continuum は 接続設定も煩雑だし...。
Continuum は 接続が面倒!
・その1 有線接続の憂鬱
有線接続して Continuum を使う環境(今のところ Lumia 950 シリーズのみですが)をよく考えてみましょう。
まず、Dockを用意、付属のケーブルでAC電源に接続します。
次に Dock とテレビをHDMIケーブル接続します(テレビのHDMI端子を1個消費)
そして、キーボード、マウスを 有線または無線で接続します(Continuum用に購入?)
最後に WPスマホ(Lumia) を Dock に接続。 テレビの入力切替を HDMI の 入力に合わせて使い始めます。
さて、全部で何本のケーブルが必要でしょう? なんか、これだけでもう面倒くさくないですか? 配線だらけだし。 自宅で配線しっぱなしにできる環境でないととてもじゃないけど使う気になれません。
・その2 無線接続の憂鬱
じゃあ無線で接続すればいいじゃない、と思うわけですが、これもまた難題が降りかかります。
Internet Watch の Continuum レビュー にもあるように、複数ある接続方法のほとんどが「遅延」により使う気になれないレベル。
専用の装置 「Actiontec ScreenBeam mini2 (約1万円)」 を別途購入して無線接続してもいろいろ難関が待っているようです。
先のリンクでは、Windows Phone にUSBハブを接続するという方法で不具合を回避しているようですが、いろいろ面倒すぎる...。 なんか本当に「テスター」にされているような気分になってきますね。
テストするのが好きな人もいるので余計なことは言いません(もう言ってる)が、こういうことを積み重ねた3年先に完成するのが Continuum なんじゃなかろうか?と思えてきます。
無線の場合は、室内の無線使用状況もContinuumに配慮しないと干渉することがあったり、技術がもう一歩先に進む必要性を感じてしまいます (そういう意味では決して けなしてるワケじゃないんです、まだ早いんです)。
結果として今のところ、小さいノートPC (Surfaceとか) でも一台 持ち運んだほうが断然早くて快適、すべてのWindowsアプリが使える、など いいことづくめというのは事実だと思います。 なんなら今話題(?)の 「キーボードPC」 でいいような。 Continuumを見てると「ノートパソコンってうまくまとまってるんだな」ということに気づきます(そっちか!)。
でも、Continuum するために ホテルにキーボードとマウスとDockにケーブル類を持ち込む人の姿を 一度見てみたい気もする...(汗)。
最後に、たまに勘違いしてしまう人もいると思うけど
Continuum は Windows じゃない
これがダメ押しじゃないでしょうか?
前にも言いましたが、1画面に複数のアプリを起動すること (マルチウィンドウ) はできません。 Windows ではないので、Windows向けのデスクトップ(x86)アプリは動きません(これが大きい)。 Microsoftにとって一番大きな資産が使えないのです。 せっかくの大画面でもそこに表示されるのはいつも1つのアプリの全画面表示になります。
あと、上の Continuum レビュー内の 動画 を見ていて気づいたのですが、「文字入力の変換辞書もMicrosoftのWindowsPhoneに入ってる辞書しか使えない」 ということ。 結局ほとんどすべてのことについて「キツい状況だな」としか言いようがありません。
一般利用者レベルでは、Continuum が Windowsになる日まで待っても損ではないと思います。 そしてその日はたぶん3年後なのではないかと思っています。
個人的には 「東京オリンピック」 のタイミング でみんなが普通に Continuumを便利に使ってたら 「やっぱりあの時から始めておいて、Micosoftさん正解だったね」 といえる気がします。
PS おまけのどうでもいい話(Continuumの普及条件)
・一般のテレビがデジタル機器の高速無線通信機能 (高速版Miracast?) を標準搭載していること。
・スマホ自体がCPU、メモリー的にPCと遜色のないパワーを持っていること(Surface Phoneはここを狙ってる?)
・Continuum が Windowsになること
・より自然な会話でデジタルアシスタントとやり取りして画面に必要な情報を映し出せること(おじいちゃんおばあちゃんでも使えること)
実はコレ、全部いまMicrosoftが研究中の技術といっていいと思います。 ということで、今はまだ早いというだけで、将来的には楽しくなると自分も思っています。
リンク
・ワイヤレスディスプレイでContinuum アダプタ3製品をチェック – Internet Watch
・電話用の Continuum< - MSDN
・Windows 10 Mobileに萎えるのはなぜか – PC Watch